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黒麻生だった頃のスレスレの接客

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もう20年以上も前になるけど、ケンウッドの営業マンだった頃、
正月の三が日は毎年仙台の初売り応援に行っていた。

元旦から働くなんて、
麻生はえらく仕事熱心だなぁと思ったかも知れませんが、
なんてことはない。

旭川から実家のある横浜経由仙台までの往復交通費と宿泊費、
さらには特別休日手当が貰え、飯までついてきちゃうという・・

いわゆる、ダータで帰省ができる、
アゴ足まくらおひねり付きだったから。

もちろん、そうはいっても、正月そうそう朝6時から夜8時くらいまで、
ずっとデンコードーの店頭に立って販売応援をするのは大変でした。

ご存じの方も多いでしょうが、仙台を含め東北地区は、
クリスマス商戦のある12月よりも年明けの1月の方が
売上目標の大きい地域。

各メーカー、販売店ともに予算を大きくとっているので、
全国から強者の売り売り野郎がやってくるのです。

そんな中にボクは放り込まれていたので、
正直、ライバルメーカーのえげつない売り方もわかったし、
先輩からは、かなりスレスレの接客方法を叩き込まれたし、
今覚えば、その頃に騙されないための在り方や
メンタリズム的な視点が養われたのかも知れません。

「ソ○ーの※△□×を下さい」とくるお客さんには?

もう時効だろうから書いちゃうけど、

たとえば、

「ソ○ーの※△□×を下さい」とくるお客さんには、

どんな接客をしていたか?

簡単です。

「はい、わかりました!」

といいながら、お客さんと一緒にレジまで在庫を持っていきます。

すると、お客さんが気づきます。

「アレ?これ頼んだのと違うよね?」

はい。その通り。

ボクはレジまで堂々とケンウッドのミニコンを持っていくのです。

でも、お客さんにはこう言います。

「あら?!ごめんなさ~い!
今一番売れてて大人気だから、てっきりこれかと思って・・」

そんなバカな・・。
こんなアホな接客が通用するはずがないと思っているでしょう。

ところが、通用するのです。

ほとんどが、

「え・・そうなんですか・・じゃぁ、これでお願いします」

となります。

中には、「ホントに??」「どうしよう・・」と迷う方もいらっしゃいましたが、

その場合は、目を見て、いつもより少し低い声で

「間違いありませんよ」と言うだけで購入して貰えました。

なぜ、いとも簡単にボクの言うとおりになってしまうのか?

チラシを持ってわざわざ指さして
「ア○ワのこれ下さい」と言ってきても同じです。

レジまでケンウッドのミニコンを何のためらいもなく持っていき、

「アレ?!ごめんなさ~い!
今一番売れてて大人気だから、てっきりこれかと思って・・」

シラっと言う。

たったこれだけです。

どんなに否定されようと実際にボクがやって結果を出してきたから言えるのですが、
大混雑している店内で、しかも長い列もできているレジ際で
こう言われると、購入してしまうのですね。

いとも簡単にボクの言うとおりになってしまう・・・それはなぜか?

スバリ、”選択を狭めている”からです。

人は選択を狭められると、目の前のものを選ばざるを得なくなります。
だからAというものを売りたかったら、
A以外の比較対象物を徹底的に排除すればいい。

以前、ご紹介したじゃんけんに勝つ方法と一緒です。

そういう状況を作り出せば、Aを選ぶしかなくなるのです。

 

あらゆる手段で選択を狭める

仮にボクがマイウェイというブランドの鍋を売るとします。
百貨店にいけば他のブランドとの比較ができてしまうので、それは困る。
お客さんがお店にいかないような状況を作ります。

あるいは、独自の流通網に乗せて比較したくてもできない状況にする。
ネットワークビジネスの仕組みを使うのが手っとり早いでしょう。

この場合、比較できないどころか、
相手との関係性を壊したくないという心理も働くので効果的です。

逆を言えば、

相手の言うなりにならないためには、なにがなんでも選択肢を持つこと。

「他に選択肢はないのですか?」
「それ以外で私におすすめのものを2つ3つ教えて下さい」

今まで、どうしてあの人から買ってしまっていたのか、
誘われるままだったかといえば、選択肢がなかったからです。
上手な売り手は巧みに選択肢を減らし、比較対象物ははじめからないものにします。

あまりにも搾取感が漂うエゴを隠したセミナーに誘われたときも一緒。
いつもの自分を取り戻したいのなら、

「他に同じような内容が学べるおすすめの講座を教えて下さい」

こう聞き返して選択肢を増やすことが大切です。

混乱法もあわせて使う

選択を狭めるだけでも強烈な効果がありますが、
さらに混乱状況を作りだし、その下で行うことができれば、
相手に意図したモノを選ばせやすくなります。

チラシを片手に朝早くから並んで、
開店と同時に店内に流れ込んでくる様は、まさにそのもの。

タイムセールやバーゲンなどで、
つい必要のないものまで買ってしまうのもこの原理です。
混乱下では、判断するのがめんどくさくなっちゃうのです。

逆をいえば、相手の言うなりにならないためには、
なにがなんでも冷静に、客観的に、一歩引いて自分を見つめること。
めんどうでも判断思考を捨てないことです。

「明日までなら講座料19万のところ13万円になります」
「私から買うなら10%引きにするわよ」
「アレ?!ごめんなさ~い!
今一番売れてて大人気だから、てっきりこれかと思って・・」

たとえ、こう言われても、

・本当に必要なのか?
・他にもあるんじゃないか?
・最初の金額があってないような金額じゃないのか?
・相場より高いんじゃないか?
・妥当なのか?
・本当にそうなのか?

と常に自分に問い続けることが大切です。

 

黒麻生 or 白麻生?!

どんなテクニックもそうですが、それ自体に善悪はありません。

意図したモノを選ばせたい時には、

「選択を狭める」「混乱させる」

同じく、誰かがこっちに行きたいと言うときに
「そっちでいいんだよ」と背中を押してあげたい時にも

「選択を狭める」「混乱させる」

繰り返しますが、テクニックに善悪はありません。

あるとしたら、それは使う人の下心。

仙台の初売りでは、正直、”黒麻生”でしたが
今は”白麻生”として日々精進しています!!

 

…………………
追伸

こうした心の在り方やメンタリズムなどの学びを深めたい方はこちらをご覧下さい。

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